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空き家の片付けから見守りまで一本化へ、残置物撤去業者と全国の管理網が手を組む意味とは

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ニュースの概要

神仏供養から遺品整理、残置物の撤去までを手掛けるファーストバリューと、全国47都道府県で空き家の管理や活用のネットワークを築いているL&Fが、相互に連携する取り組みを始めた。ファーストバリューは全国で3万件を超える施工や相談の実績を持つ。L&Fは「日本空き家サポート」の名で、巡回管理や活用の相談窓口を各地に広げてきた。空き家の所有者は、家財の片付け、遺品の扱い、供養、清掃といった入り口の作業と、その後の見回りや維持管理、活用の判断を、別々の相手に頼まなければならないことが多い。今回の提携は、その二つをつなぐ狙いがあるとみられる。

引用元: ファーストバリューとL&F、空き家管理・残置物撤去で業務提携(Excite News)

分析・見解

空き家の悩みは「片付け」と「その後」で途切れやすい

空き家問題というと、古い家をどうするかという話に目が向きがちだ。しかし現場では、その手前で止まる人が多い。親が亡くなった後の実家には、家具、衣類、仏壇、写真、書類がそのまま残る。所有者は遠方に住み、仕事や家庭もある。何から手を付けるか決められないまま、数年が過ぎる。総務省の2023年の調査では、全国の空き家は約900万戸で、住宅全体の約14%にあたる。その中には、片付けが終わらないまま放置された家が少なからず含まれるはずだ。

今回の提携の面白さは、片付けの会社と管理の会社が組む点にある。片付けは一度きりの作業で、管理は続く仕事だ。性質が違うため、これまでは別々の事業者が担ってきた。その継ぎ目で所有者が迷い、依頼先を探し直す。この手間を減らせるかが肝になる。

供養まで含む窓口が、所有者の心理的な壁を下げる

ファーストバリューの特徴は、神仏供養を出発点にしている点だ。仏壇や神棚、人形などは、ごみとして出すことに抵抗を感じる人が多い。不用品回収だけでは対応しにくく、親族間で意見が割れることもある。供養を含めて引き受けられる事業者は、片付けの最初の関門を越えやすい。

空き家を管理する側にも利点がある。管理を頼むのは、気持ちの整理がついた後の人が多い。入り口で信頼を得た事業者から紹介を受ければ、管理の提案も受け入れられやすい。これは単なる営業紹介ではなく、所有者の心の動きに沿った流れだと考える。

法改正で「放置」の費用が目に見えるようになった

背景には制度の変化もある。2023年12月に改正空家等対策特別措置法が施行され、倒れる恐れのある「特定空家」の手前に、「管理不全空家」という区分が加わった。ここで勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の軽減(=土地の税額を下げる仕組み)が外れる可能性がある。さらに2024年4月から相続登記が義務になり、相続した家を知らないふりで置いておくことが難しくなった。放置の費用が、目に見える形で所有者に返ってくる時代になったと言える。

全国網の価値は、実際の紹介と品質がそろうかで決まる

一方で、課題も残る。47都道府県に拠点があっても、現場の対応力は地域ごとに差が出る。片付けの見積もりの考え方、見回りの頻度、報告の方法、費用の目安がそろっていなければ、所有者は不安を抱く。提携が看板だけで終わるのか、案件の受け渡しや料金の説明まで整えられるのかが問われる。

自治体が事業者団体と空き家対策の協定を結ぶ例は増えているが、民間同士が実務をつなぐ動きはまだ少ない。うまく回れば、相談の入り口から活用や売却の出口までを、一人の相談相手で進められる形が広がるだろう。

ビジネスへの影響

依頼前に、残す物・供養する物・処分する物を分ける

空き家を相続した人は、見積もりを取る前に、家の中の物を三つに分けておくとよい。残す物、供養が必要な物、処分する物である。この仕分けがあるだけで、作業の範囲が決まり、見積もりのぶれが小さくなる。遺品の中に権利書や通帳、契約書が混ざっていることも多い。片付けの前に、家族で貴重品の探し方を決めておく。

見積もりは、片付けの費用と、その後の管理費を別々に出してもらう。窓口が一つになっても、内訳が見えなければ比較できない。写真を撮って部屋ごとの物の量を伝え、二社以上で確かめるのが基本だ。

不動産会社や士業は、紹介先の選択肢に組み込む

相続登記の義務化以降、司法書士や行政書士、不動産会社には、相続した家の相談が増えている。ところが、登記や売却の話に進む前に、片付けで止まる案件は多い。提携先の窓口を知っておけば、止まった案件を前に進められる。初回面談の確認項目に「家の中の現状」を加えると、紹介の機会を逃しにくい。ただし、紹介料の有無や、トラブル時の責任の所在は、事前に確認しておきたい。

自治体と管理会社は、連携の中身を確かめる

自治体は、相談会や窓口の案内に、片付けから管理までつながる事業者を載せる選択肢が出てくる。その際は、対応地域、費用の説明方法、苦情の受け付け体制を比べて選びたい。管理不全空家の通知を送るときに、相談先の一覧を同封する手もある。

管理会社は、片付け後の引き継ぎ書式を整えることが重要になる。鍵の受け渡し、室内の写真、傷みの箇所を記録して所有者に報告する。この積み重ねが、提携を看板から実績に変える。

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